SP 「人の一生は深い」

先日、母方の祖父が天国へ旅立ちました。

96年の人生という大往生。

機械いじりや農作業に精を出した約一世紀近くの人生、大変お疲れ様でした。

さて、葬儀の期間中、菩提寺の道士様から、たくさんの有難い言葉をいただくことができました。
その中で我々のお仕事に馴染みのあるお話があったので紹介します。

『諸行無常 是生滅法 生滅々已 寂滅為楽』
(しょぎょうむじょう ぜしょうめっぽう しょうめつめつい じゃくめついらく)

一切の存在は、無常にして、常に止まることなく川の流れのごとく変化するものである。

この意味を表現した歌こそ、弘法大師様がつくられたと言われる『いろは歌』だそうです。

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ  つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす

大工さんには馴染みの歌で、昔から絵図板(昔の平面図)の番付(柱の位置などをわかりやすくするための方法)として用いられていますね。

今でも図面には使われていますし。
ちなみに、47字使って字は被っていないということ。末尾に「ん」をつけて終わりだとか。

漢字を用いてわかりやすくすると、、、

『色は匂へど 散りぬるを』
『我が世誰ぞ 常ならん』
『有為の奥山 今日超えて』
『浅き夢見し 酔ひもぜず』

ということに。

『花は咲いても、たちまち散ってしまう。 人も生まれ、やがて死ぬ。 この世の中にずっと同じ姿で存在し続けるものは何もない。 無常は生ある者の免れえない運命である。 様々な因縁から生じる無常の世(奥山)を超越して、人生という険しい山を今日一つ乗り越えて、はかない夢、永遠にお金や家や自分自身が存在するという煩悩を捨てよう。
人生は苦しみや悩み・後悔が多いけれど、その中から小さな喜びを沢山見つけ、毎日を一生懸命大切に生きていこう。
酔っ払って、現実から逃げないように、今をしっかり見つめて生きていこう。 その心に覚りの境地がある』

という意味だそうです。

お寺にお世話になるのは、決して明るい話ではありませんが、親族にとっては故人と向き合ってこれからを見つめ直す大切なタイミングです。

大工として、家づくりに携わるということは住まいて様の人生にも深い関わりを持つ立場でもあります。

その住まいての人生にささやかなるサポートができるよう、日々の努力を怠らず邁進していきたいと思います。